細胞検査士会
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 実際に、アメリカの大学病院で細胞検査士(CT)として働き始めた椎名奈津子さんから、アメリカでのCTの就職事情を寄稿していただきました。
椎名さんは、1999年3月に北里大学医療衛生学部細胞検査士コースを卒業し、アメリカのtomas jefferson大学に留学されました。

アメリカでCTとして働く



 アメリカでct(cytotechnologist)として働くには、基本的にはアメリカの細胞検査士の資格であるct(ascp:american society of clinical pathologists)の資格を取ることが望ましいでしょう。iacは国際ライセンスなのだから、iacで十分働けるのではないか?と思われるでしょうが、実際は難しいようです。採用の条件は就職先の施設によって異なりますが、多くは“ct(ascp)を持っている、もしくはその見こみがある” となっています(“見こみがある”というのは新卒の場合、ascpの試験を受けてから結果が出る前の採用となった場合の事を意味しています)。私の職場であるペンシルバニア大学病院を含めたいつくかの施設はct(ascp)もしくはiacとなっています。しかしここには隠されたトリックがあるのです。

 就職活動の際に、雇う側が必ず行う事として、指導者もしくは関係分野における知人の推薦の確認を、電話などで人事課が直接行うのです。もちろん多くの場合、日本まではかけてくれません。そこで必要になってくる、自分を推薦してくれる人(References)は、必然的に大学の先生、実習先でおせわになった細胞検査士の方々になってくるわけです。私の場合、IACを持っていても、大学に行っていなかったら、このリファレンスがないことによって就職はできなかったでしょう。

つまり、就職において資格よりも大変なのは、実はこの“リファレンス”作りなのかもしれません。アメリカでの就職を考えるのであれば、学校(大学)に行き、CT(ASCP)を取ることが一番よい手段でしょう。日本でBSの学位を取得してきた場合、1年のコースを修了する事でASCPの受験資格を得られます。日本のCTやIACの試験に比べ、ASCPの試験はコンピューターのみです。日本でCTの勉強をした人であれば、英語とベセスダシステムなど日本ではあまり使われていない事に慣れてしまえば、難しいものではないでしょう。アメリカでは、まだCTの需要は多く、就職先を自分で選ぶ事も不可能ではないくらいです。日本でしっかり勉強し、CT、IACを取得したうえで、アメリカの細胞診に触れてみること、そして大きな夢に向かって見るのも良いのではないでしょうか?  
                2001年6月 米国ペンシルバニアより

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